海と山に囲まれた

“Regenerative Village”

日本

三重県 尾鷲市

尾鷲は日本列島の太平洋側に位置し、古来から森と海と共に生きてきたまちです。

黒潮が暖かく湿った空気を運び、これが険しい山地を昇り、雲となり、雨となります。

日本有数の多雨地帯である尾鷲では、雨水が面積の90%を占める森林土壌に浸透し、最終的に海へと還流します。

この循環が尾鷲の豊かな森や海を育み、人々に恵みをもたらし、古くから漁業や林業が栄えてきました。

黒潮が暖かく湿った空気を運び、これが険しい山地を昇り、雲となり、雨となります。日本有数の多雨地帯である尾鷲では、雨水が面積の90%を占める森林土壌に浸透し、最終的に海へと還流します。この循環が尾鷲の豊かな森や海を育み、人々に恵みをもたらし、古くから漁業や林業が栄えてきました。

FEATURE

01

歴史と伝統を持つ

品質高い尾鷲ヒノキ林業

02

近接する山と海によって

形成される豊かな漁場

03

自然環境を活かした

次世代教育

PROJECTS

みんなの森プロジェクト

自然に関わり続けること。

森林が国土の7割を占める日本では、その大部分は人間の活動により改変され、人工林を含む「里山」として維持されてきました。里山は完全に自然のままでもなく、また人間が完全に支配しているわけでもなく、適度な人間の活動が介在することで、原生林や市街地よりも動植物の多様性が増し、豊かな生態系が保たれ、生物多様性を維持する場所として、人間と自然が共存するために活用されてきました。しかしながら、世界に先駆けて人口減少と超高齢化が進む日本では、かつての里山が放置され、その管理コストは経済的な理由から次第に「負債」とみなされるようになりました。その結果、人工林の適切な管理が行われず、土砂災害や河川の氾濫、漁獲量の減少、在来種の減少など、様々な問題が地域生活に影響を与えています。SINRAと尾鷲の人々は、共にプロジェクトを立ち上げることで、CO2を効率的に吸収し、生物多様性を保護する健全な里山を育てていきます。さらに、森と海を行き来しながら地域のコモンズを維持できる人材を育成・雇用することで、再生可能な自然資源と地域経済を創出していきます。

SOCIAL IMPACT

生物多様性に資する

土壌の回復

地域雇用の創出

Regenerativeな世界に

適応するための学校の設立

豊かな自然を守りながら、その環境をまるごとキャンパスとした学びの場を作ることで、100年後も続いていく地域をつくることが、このプロジェクトから生み出したいCo-benefitです。既存の教育システムへのオルタナティブとして、個々の特性を伸ばし、全ての世代が自然と深く関わりながら、学び続けることのできる新たな「学校」をつくります。森や海、まち全体をキャンパスにして、多様な興味関心を満たし、Regenerativeな世界に適応する学び、雇用、暮らしをつくることで、あらゆる生態系を考慮しながらこれからの社会を考える視座を地域全体で養います。

水脈作り。固まった地面に溝を掘り、雨水が土中に浸透できるようにする処置です。崩れを防ぐために枝や石を配置します。雨水が土中にしっかり浸透することで、表土を削ることなく、山のミネラルを含んだ水が川や海に注ぎ込まれ、豊かな生態系が保たれます。

炭を用いて土壌改良を行います。森の朽ちた丸太や枝葉など過多な有機物を取り除き、それを炭化します。これが良質な土壌改良資材となります。土壌に炭を加えることで、炭素貯蔵が可能となり、炭自体が微生物の住処となり、菌糸が凝り固まった土壌をほぐしていきます

森に光を入れ、水と風の流れを回復することで、微生物から生態系の頂点まで多様な生物が生存できる環境を整えます。人間もその一員として加わり、命の繋がりが増えることが、私たちの命を守り、幸せにつながる「里山」をつくります。

山を整備し、土地に適した樹木を植えていくことで、100年単位で多種多様な動植物を育む基盤をつくっていきます。また、これは地域を災害から守る重要な手段であり、同時に生態系全体を豊かにするための不可欠な一歩です。